食品や日用品、工業部品、医薬品など、固形物の高速包装に欠かせないのが「横型ピロー自動包装機(Horizontal Flow Wrapper)」です。

人手による個包装や卓上シーラー作業から横ピロー機へ移行することで、「包装スピードの飛躍的な向上」「密封性の確保による品質安定」「現場作業人数の大幅な削減」を同時に達成できます。

しかし、包装する対象物(ワーク)の性質や形状、フィルムの材質を考慮せずに機械を選定してしまうと、「フィルムの噛み込み」「シール不良によるエアー漏れ・密封ミス」「段取り替えの手間」などのトラブルにつながりかねません。

本記事では、横ピロー自動包装機の基本的な仕組みから、「正ピローと逆ピローの違い」「失敗しない選び方の要点」までを分かりやすく解説します。

1. 横ピロー自動包装機とは?仕組みと基本特徴

横ピロー包装機とは、搬送コンベア上に流れてきた製品を、帯状のロールフィルムで筒状(チューブ状)に包み込み、底面(背中)と前後を熱溶着(ヒートシール)してカットする包装機です。

仕上がった形状が「枕(Pillow)」に似ていることからピロー包装と呼ばれます。

横ピロー機の主なメリット

  • 高速包装が可能:機種や製品サイズによりますが、毎分30〜120個以上の高速連続包装に対応。
  • 人手作業の削減:製品をコンベアに供給するだけで、袋成形・充填・密封・カットまでが全自動化。
  • 多様な包材に対応:防湿フィルム、ラミネートフィルム、バリアフィルムなど幅広い材質を使用可能。

2. どちらを選ぶ?「正ピロー」と「逆ピロー」の違い

横ピロー機を選定する際、最も重要な分岐点がフィルムを上から供給するか、下から供給するかという構造の違いです。

比較項目正ピロー(上フィルム式)逆ピロー(下フィルム式)
フィルム供給位置製品の上側から供給製品の下側から供給
背貼り(長手シール)製品の下側(底面)製品の上側(天面)
得意な対象物固形物・硬さのある製品
(トレー入り食品、箱物、冷凍食品、工業部品など)
柔らかい物・不定形物・粘着性のある物
(生麺、野菜、医療用ガーゼ、アパレルなど)
特徴・強み搬送が安定しており、高速包装に向いている最も標準的な方式。フィルムの上に製品を乗せて運ぶため、コンベアと製品の摩擦や引っ掛かりが発生しにくい。

💡 選定のアドバイス:
「製品そのものに一定の硬さや自立した形状があるか?」をご確認ください。柔らかくて崩れやすい製品や、コンベア上を滑りにくいゴム素材・生鮮品などは、逆ピロー機を選ぶことで搬送トラブルやジャム(詰まり)を劇的に減らすことができます。

3. 横ピロー機選定で失敗しないための4つの重要ポイント

① サーボモーター制御の有無(独立駆動)

旧来のチェーン駆動やメカ連動式に比べ、各軸独立のサーボモーター制御(2軸・3軸サーボ)を搭載した機種が現在の主流です。

  • タッチパネル操作だけで袋長やカット位置をデジタル変更可能
  • フィルムの送りテンションが一定に保たれ、印刷ズレ・シワを防止
  • 製品が供給されない時はフィルムを自動停止する「空袋防止(ノープラグ・ノーバッグ機能)」が連動

② シール方式の選定(ロータリー式 vs ボックスモーション式)

  • ロータリー式(回転刃):カッターとヒールバーが回転しながらシール・切断。高速性に優れ、一般的な個包装に最適。
  • ボックスモーション式(角型運動):シールバーが製品と並走しながら挟み込む方式。接触時間(圧着時間)が長いため、厚手フィルムや脱酸素剤封入・ガス置換包装などの高い密封性が求められる用途に必須です。

③ かみ込み防止機能(センシング)

製品が所定の位置からずれて搬送された場合、エンドシール部で製品を挟み込んでしまうと、刃の破損やライン停止の原因になります。光電センサーによる「かみ込み検出・自動停止・回避機能」が備わっているかを確認しましょう。

④ 多品種少量生産に対応できる「段取り替えの容易さ」

1台の包装機で複数サイズの製品を切り替えて包装する場合、「フォーマー(フィルム折り曲げ器)のワンタッチ交換」や、タッチパネルによる「品種別パラメータ呼び出し」ができるかどうかが、現場の稼働率を大きく左右します。

4. 環聯ジャパンの横ピロー包装ラインソリューション

環曄ジャパンでは、単なる包装機単体の導入にとどまらず、前後の自動供給・検査・段ボール箱詰めまでを含めた一貫ライン提案を行っています。

  • 自動供給コンベアとの連携:上流の加工機・成形ラインからの直接インフィード
  • 印字・検査機のインライン連動:インクジェットプリンター/サーマルプリンターでの賞味期限・ロット印字、金属検出機・重量チェッカーの連結
  • 国内エンジニアによる立ち上げ・メンテナンス体制:電気仕様の国内最適化、消耗部品の迅速供給、定期点検サポート

5. まずは「実機テスト・サンプル包装」で適合性を検証

横ピロー機の導入で最も確実なのは、「貴社で実際に使用している製品サンプルとフィルム資材」を使って、テスト機で実走検証を行うことです。

  • フィルムの滑り性やシールの圧着強度に問題はないか?
  • 目的の生産スピード(個/分)を安定して達成できるか?
  • かみ込みやシワが発生しないか?

環曄ジャパンでは、実機によるサンプル包装テストを随時受け付けております。適合テストをご希望の企業様は、下記よりお気軽にお問い合わせください。